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少し休憩2 責任という言葉

武士道で有名な菊と刀 ベネディクトはアメリカが日本をシンプルにするために書かせたという話がある。それが第二次大戦へと世論を向かわせたという。太平洋戦争は実はアメリカのシナリオだった説もある。アメリカにはいろいろな人、考えが混在していて、表に出てくるものは一つの結果であろう。半藤一利さんが亡くなられた。大戦中の日本軍と米軍の違いを書かれていた。やはり個をもった集団の力は強い。米軍が動き、個人の想いの瞬発力が全体主義を凌駕していく。人間力の底力。人間の良い面は皆を笑顔にすることもできる。一方の当時の日本、日露戦争では参謀幹部の失敗。今にも通じる、主要幹部や現場を知らない管理職の適当ぶりとそのしわよせをいつもうける下っ端社員のありさま。

責任のない代表格にお役所仕事がある。 有名なのが黒沢明監督の「生きる」。ここまでひどくないにせよいまだに似た場面に遭遇することがある。署員、所員に憤り、怒鳴っている私。短気は損気なのだけれど何度もある。私の良くない面。しかし、あまりにみんなが言わなさすぎるのではないか。だから彼らは気づかなくなってしまう。ちょっと考えれば皆気づくはず。いいはずがないのに大きいのに巻かれて良しとする。自分にとばっちりがこなければ良しとする。我慢してスルーさせる。いや逆に利用したりもする。そのしわよせはいつも弱い方、子孫、後世にいくのに。

かつて勉強のできた人がなぜそんな判断、言動をするのか理解できない時がある。どうしてそうなるのか。一人一人がものごとにこだわって考えようとしない、無責任だからである。自分を持たないからである。なぜならそっちのほうが楽だから。和を尊び、出る釘を嫌うから。

かつてヒットラーが書いていたらしい。日本人は利用できる。創造力のない小器用で、結果をいつもだしてくれる。だから仲間にしてやると。その後三国同盟へとつながる。山本五十六さんはそれを知っていた。だから同盟に海軍は反対し続けた。しかし、成立。マスコミが世論をあおったようだ。やがてしかたなく参戦。彼はそれらの結果を受け止め尻ぬぐいに奔走。なんとか有利なうちに講和を結ぼうとする。アメリカ相手に勝つことはできないと初めから知っていた。敵は米軍以外にも、国内の無能な管理職、政治家、マスコミなどなど。彼は自分の目で見て、耳で聞いて、心で考える。世界をしっかりとらえる大切さを説かれていた。日本を滅ぼさないですむよう奮闘、努力される。しかし、うまくいかない。それでも諦めなかった。そして最後まで、最前線で戦う部下に寄り添おうとした。そこで戦死される。現在の馬鹿な経営者の逆であろう。人間らしい、真の英雄だった。

責任には二つある。RESPONSIBILITYとACCOUNTABILITYである。News23 筑紫哲也氏に教わった。自己責任と説明責任とされていたと思う。日本人はACCOUNTABILITYが弱い。そうおっしゃっていたと思う。捉え方によっては「言い訳」になりがちだろうか。他者に対してきちんと説明する責任。病院のインフォームドコンセントに通じる。

武士道には、野望、義、情け、恥が必要だと思う。中島みゆきさん「本日、未熟者」である。責任など言うに及ばず、当たり前。なにかを為すためにはやり遂げる義務、責任がある。なければ認められず、評価されず、相手にされなくなる。当たり前。権力があろうがなかろうが、偉かろうが、かつて偉かろが責任は常についてまわる。責任をとって昔は腹を切ったのである。世界中探しても例のない自己反省。便利な法処置だった。

今はどうか。責任という言葉は死語に近くないか。だからこの国の将来はないと言われるのではないか。子供たちは寂しく社会を見ざるえないのではないか。元気がでない。

具体的にどうしたら良いのだろう。日々どう楽しめばよいのだろう。失敗したり間違ったりしたらまず認める。謝る。今後にきちんと生かす。立場や運営に支障があってもその後のためにきちんと処する。自分でそうする。人に頼らない。心ある人の批判をきちんと受け止める。嫌な部分でも肥しにする。遠ざけない。ただの風の音は無視。それには素直さがいる。認める勇気もいる。覚悟をもった改善もいる。責任とはそういうものだと思う。いいかげんにして忘れてしまったり、他で挽回すればいいというのは違う。変われなければ成長しない。尊敬もされない。認めて謝まる勇気を持ちたい。

とは言え、常に言葉通り生きるのは難しい。そいつは苦しすぎるかもしれない。しかし、こんな今の世の中ではどっかで歯止めが必要であろう。灯台であったり、理想であったり、希望が欲しいと思うのである。

自分の家の中でさえ満足にならない。個は主張し、いがみ合う。寺内貫太郎一家を思い出す。自分の体だってそう。健康に悪いものは遠ざけるべきなのだ。本当は。つまり自分のことは棚に上げまくっているではないか。そうなのである。だが積小為大で行こうと思う。一つ一つ気づいた事、できることからやりましょう。少しずつは目に見える。ブレイクスルーも近いはず。いつかできる。きっとできる。ちょっとは楽しくなってくる。たまには良いこともある。きっと元気になれる。笑顔になれる。